演じたキャラクターについてや、印象に残ったシーンを教えてください。
佐藤:
楢崎くんは、ポーカーフェイスというかあまり感情を表に出さない男の子だったんですけども。感情を我慢しているわけではないんですが、彼なりの感情の発露というものを面白く感じましたね。そんな彼が徐々に変わっていく姿というか、学校にいる時と、対家族の時と、対彼(寺島)の時と、それぞれ表情があって。特に弟に対しての彼が微笑ましかったり。というところで、こういう瞬間もあるんだなあと思ったり、そんな仏頂面の彼の人間くさいところが、非常に印象的でした。学校と家の途中にある登下校は、徐々に彼がほぐれていく時間だと思うので、登下校のシーンを演じているときは一番楽しかったですね。
江口:
Disc1,Disc2通して彼とはマブダチになれたかなって(笑)
江口:
(笑)最初は「怖そう」みたいな、仏頂面だし表情わからないしで、静かな男だったんですけども。でもどちらかというと、本当に仲のいい人じゃないと本当の部分を見せないというところで、徐々にその壁が取り払われて、明るくじゃないですけど、自分の喜怒哀楽をぶつけられるようになっていくっていう流れはすごく良いなあと思って。そういったところを含めての感情の動きは、彼の素敵な部分なんじゃないかなと思います。シーン的には、声を張るところとか、大笑いするところとか「あ、人間らしい感情がここまでぶつけられるようになって…!」みたいな微笑ましさが、僕の中では(本を)読んでいても「良かったね!」と思った部分でもあったので、印象に残ったシーンではありましたね。
作中で、寺島が楢崎の手にときめくシーンがありましたが、お二人の中で、男性に対して「かっこいいな」「素敵だな」と思う仕草や部位、言動などがありましたら教えてください。
佐藤:
(笑)僕は、まがりなりにも…一応大人なので、お酒を飲むことも多いんですけども、バーとかでちょっとお年を召された男性の方が、お洒落に一人でウイスキーを飲んでたりするところを見ると憧れますね。(人を)連れていても色っぽいなと思うんですけど、一人で考え事をしながら、バーテンの人とちょっと言葉を交わすくらいで喋っている人生の先輩を見かけると、素敵だな…と思います。
江口:
そうですね……部位的なところにはあまりエロいな……とは思わないんですけど(笑)
江口:
それもう思い始めたら……ちょっとねえ(笑)違ってくるからねえ(笑)
江口:
やっぱりこう、男性の男気みたいなところはものすごくくるものがありますね。先輩後輩もそうですし、仲良い奴らとつるんでるときの、友情関係みたいなものが、男性ってあんまりメリットデメリットがないんですよ。そういう気前の良さとか、気持ちの部分は接していても「この人気持ちがいいな!」とか思います。それこそ声のお仕事も始めたての時はバイトもしてましたし、飲み会に行きたくてもお金がないから行けない、みたいな時も先輩が「いいよ、全然おごってやるから」と言って「その分お前が払えるようになったら後輩に返していけよ」とかそういうことがあって。メリットデメリットじゃなくて受け継がれていくものは特有だなあ、と思いますし、そういうところはやっぱりアツいな、とこの業界に入ってさらに感じるところではありますね。
この作品では「学校の図書室」というロケーションが重要なポイントとなっていますが、お二人の学生時代の「思い出の場所」がありましたら教えてください。
佐藤:
小学生の頃、放送係だったんですよね。生き物係とかあるじゃないですか。そういう感じで、例えば朝礼の前の放送とか、下校の時の「帰りましょう」という放送とか、そういうのをやってたんですけど。六年生ぐらいの時ですね、マイクを通して誰かに向かって喋るっていう経験をしたのは、それが初めてだったので。「放送室」っていうものに対しての思い入れは確かに強いかもしれませんね。
佐藤:
いや、響いてたかどうかはしらないけど! とりあえず声は大きかったと思うのね(笑)「みなさん残さず全部食べましょう」みたいなのもやってたんですよ。楽しかったですね。
江口:
高校生の頃はとにかく無気力な学生で、どうしようもない奴だったんですけど。授業中は寝てるか、空を見てるかみたいな……。(佐藤 なんだ?ラノベかなんかの主人公か!)だからその頃は、もう早く学校を卒業したいという気持ちでずっと三年間を過ごしていたので、とにかく無感情だったんですけど。それで、人と関わるのもそこまで得意ではなかったから、昼休みとかも時たま一人で食べたい時があって、そういう時によく忍び込むところとして「生徒会室」がありました。自分が高校二年生の時に生徒会長になったので、生徒会室の鍵を持っていて、こっそり昼休みにドアを開けて、一人で黙々と食べるというところで、一人になれる空間という意味では「生徒会室」ですね。あとは放課後になったら集まれるし。でも、高校の頃はとにかく妄想が好きだったんで(笑)……生徒会室にいたら、いつか「コンコン! 失礼します!」みたいな感じで、女の子が来ないかな……ってずっと妄想してました。よく恋愛ゲームとかでよくあるじゃないですか、○○室に行けばキャラクターに会えて、好感度上げるみたいな。その一部として、生徒会室。……とかって思ってたんですけど、まあ一度もなく。あとよくあるのは、中庭があったんですけど、そこにベンチがあって、ベンチでもエンカウントできるんじゃないかと思って、一人でそこで黙々と食べ続けて、寝転がったりとかして、急に光が遮られて……「エーグチ! こんなところでなにしてんの♪」みたいな、そういうのを待ってたんですけど……ま、なくて(笑)妄想だけで終わった高校生活……。