お疲れ様でした。収録を終えてのご感想をお教えください。
興津:
とっても楽しかったです。Disc1・2共にボリューム満点だったんですけど、僕自身は飄々としているキャラだったので、松岡さんがどんどんすり寄ってくるのをニコニコしながら受けてました。
松岡:
柴って役は僕の中ではあまり接したことがなかったキャラだったので、Disc1で初めてキャラを演じた時に「そんな可愛い声出さなくて良いよ」と言われて。先に頭の中にイメージが出来上がっていたのですが、最初のアプローチが違うところにあって、それを変えていくのがけっこう難しかったです。ですけど、興津さんだったり増田さんだったりと掛け合っていくごとに、どんどん役が自分の中の感覚と違和感がなくなっていったので、本当に皆さんに助けられながら作品を作り上げられたなって思います。僕の中で出会えて良かったなと思える作品に仕上がったのではないでしょうか。
興津:
柴って絵を見ただけだと、まず入り口は受っぽいじゃないですか。って思ってたらすげーオスだったっていう。
松岡:
あえて最初の頃、「可愛いけど実はこいつやるぞ」みたいな差を出そうと思って可愛く作っていったんですけど、「そんな可愛くなくて良い」って言われて、「あーやべー、どうしよう」って思って(笑)
興津:
柴の全開のオスに当てられて、自分で演じていても秋山くんがどんどん可愛くなっていって、「おっ、こんな可愛くなっていくんだ、秋山くん」と思いながら演じていました。
増田:
智美は二人に、というか秋山にかき乱されるというか、それまでの自分の中になかったものが新たに生まれてくるというか。本編では描かれてはいませんけど、自分の秋山に対する反応だったりっていうのを、番外編の方でしっかりと事細かく描いて頂いていましたね。本編の中ではそんなに参加はしていませんけど、キャラクターを色濃く読者の方に認知されているキャラだなと思ったので、どれだけ少ない場面でも二人に負けない強烈なものを残せたら良いなと、役者として思いながら演じていました。あと、秋山のそういう場面を見るまでは、普通の、どこかにいそうなヤンチャな高校生らしく、怖いもの知らずな面があっても良いんじゃないかと思い、どれだけ普通に近付けられるかっていうのを登場時は心がけて演じていました。
演じられたキャラクターへの印象やご感想をお教えください。
興津:
秋山くんは掴みどころのない、色気のある高校生だと思って演じておりました。
興津:
そう。あんまり近寄っちゃマズイのかなって雰囲気がある。でも学校や教室にいると、どうも目を引く存在でもある…何者なんだろうっていう印象を受けました。そこに柴がやってくることによって、何者かわからない謎の男がどんどん人らしくなっていく、何を考えているのか内面を暴かれていくといいますか。
増田:
(秋山と智美の)幼少期にもありましたけど、仲良くなれるだけで嬉しいというか、子供の頃にこいつと仲良いとすげー気がするみたいな人、いませんでした?
松岡:
柴大輔くんは、内向的な感じではあるんですけど、あんな往来で「大好きだー!」なんて普通言えないですよ。度胸があるというか、勇気のある子ですよね。その行動によって、世界が変わっていくというか。ある意味、望む未来を手に入れて、困難はやっぱりあったんですけど、それすらも乗り越えていける。また、周りのことを考えていける優しい子だなと思いました。例えば、秋山くんからすると余計なお節介かもしれないんですけど、秋山くんとの情事によって友達から引かれてしまって、その関係性を修復しようと思う気持ちもそうですし、秋山くんに対する愛情であったりとか、見習わないといけないなと思いましたね。
増田:
危なっかしそうに見えて意外と常識的なところを持ち合わせている秋山くんと、常識的なところを持っているかなと思いきや1個スイッチが入ると危ない爆弾みたいな柴。非日常じみた二人とは対照的にいる智美っていうのが、僕は人間として一番近いものを感じました。グループの仲間が言った、「わからないものは怖い」っていうのは智美も一緒で、知らないものは怖いって排他的にはなるんですけど、知りたいって気持ちがあるから目が離せない。人間の心理的な描写に忠実な、人間として高校時代のヤンチャな部分でどういう風に心が動いていくのかっていうのが智美は生々しく描かれていて、演じていて腑に落ちないみたいなものはなくて。怒る時は怒るし。僕、お姉ちゃんとの掛け合いのところもけっこう好きなんですよね。「お姉ちゃん、俺のこと好きじゃない…嫌い、いや、わかんない」みたいな。パチ屋に行ったお母さんに対してもイラっとするけど慣れた相手に対する当たり前な現状っていうか。ああいうのはすごく変にしっくりきましたね。うちの家庭は違うんですけど、何だかしっくりきました(笑)
演じられていて特に印象に残ったセリフやシーンがありましたらお教えください。
興津:
「ペロ」「うっ」はいちばんこだわったシーンな気がします(笑)
増田:
僕、けっこう挿絵とかにもビックリしました。智美ちゃんの1カット目、2カット目がけっこう衝撃的なことが多くてですね。(コミックス1巻の秋山と智美のバニー絵を指して)これ見て、「おっと!」って思いました。収録中、僕と松岡さんとで体操服はありかなしか談義をしっかりしていて、僕は今まで全然なかったんですけど、わりとありだなと今日気が付きました(笑)
松岡:
本当に絡みのシーンが生々しいなって。「わー、そこまでいっちゃうー!」みたいな。
増田:
本当に絡みのシーンが生々しいなって。「わー、そこまでいっちゃうー!」みたいな。
増田:
柴の獣感がヤバいですよね。「待て」から、「どうぞ」ってなった瞬間の。
興津:
「よし」って言われたら、ダー!って来るから。
松岡:
「レディーゴー!」って(笑) たぶん、皆さん、耳で聴いたらすごいと思います。原作と合わせて聴くと本当に半端ないでしょうね。ドキドキすると思います。
増田:(柴は)本当に危ないやつですからね。違う意味でドキドキしますよ、見てて、聴いてて。
興津:
秋山くんもお酒の力を借りないとダメでしたからね。
キャラクターとの共通点、逆に似ていない点がありましたらお教えください。
興津:
セクシーなところじゃないですか。冗談です。ごめんなさい(笑)
増田:
でも僕、興津さんってセクシーなイメージありますね。
増田:
危っかしいセクシーさじゃなくて、色々と優しく包み込んでくれるようなセクシーさを興津さん自身にも感じます。
増田:
全く辱めてるわけじゃないです。乗っかってることもなく、普通に興津さんのイメージです!
興津:
似てないのは、セクシーじゃないところです。
増田:
哲学ですね(笑) 僕はけっこう思ったことをすぐ言ってしまうというか、本当に人をバーン!って傷付けるというよりは、「またあいつやってるよ」って皆が頭を抱えるような残念さを持っているところは(智美と)すごく似ています。言っちゃうんです。思ったら、楽しくなっちゃって。で、「言うところじゃなかった」ってなる。
興津:
それが愛されてるところでしょ、増田さんの。その辺はトークCDでも聴いてください(笑)
増田:
知ってますけど(笑) そこで反省するのが僕で、反省しないのが智美かなって思ってますね。それは歳を取ってるか取ってないかでたぶん違うと思いますけど。
松岡:
僕、どうでも良いことまで考えちゃうんですよ。例えば、街中ですれ違う人がケンカしてたら、たぶんこういうことがあってケンカしてるんだろうなって思っちゃうんですよ。最終的にどうやったら仲直り出来るんだろうなってことまで考えちゃうんです。どうでも良いことに気を遣って疲れちゃうんですよね。考えたくないのに、考えちゃうんですよね。あー、あの人たちの仲を取り持ってあげたいなとかも考えちゃいますし。昔、それで暴走しすぎたことがあって。目の前で振られた男の子がいたんですよ。なんで相手がこいつと付き合わなかったのかが許せなくて、向こうの女の人に電話を掛けそうになったんですよ。それを、「お前、何やってるんだよ!」って止められて、「俺はお前がこういうやつだからさ、っていうのを言いたくなって電話を掛けそうになってしまった」って言ったら、「それはやめろ」って言われて…
増田:
この危うさが似てるんだろうな。スイッチが入った瞬間の危うさが柴と全く同じなんですけど(笑) 普段めちゃくちゃこんなに誠実な方なのに、スイッチ入った瞬間に。
松岡:
まぁ、マジで怒られましたよね。似てない点は、思ったことを口に出さないところですね。…すげー矛盾してますね、考えてみると。自分の中でレバーがあるんじゃないですかね。レバーを引くと、いきなりジェットコースターが始まるみたいな。登っていかないで、平坦な道を走ってるのに、ガンってやったらドーンといくみたいな(笑)
興津:
全部聴いてください。一見、怖い秋山くんが柴くんの情熱愛によって心を徐々に徐々に開いていくところです。あとは、チーズかまぼこですね(笑)
松岡:
柴が持ってるオスの本能ですかね。普段はあんな子なんですけど、一度スイッチが入ると獣になるという。
興津:
柴犬だと思ってたら狼だったぞみたいな。僕のこと豆柴だとでも思ってたんだろ? ってことでしょ(笑)
増田:
聴きどころはやっぱり、僕だったら智美ちゃんですかね(笑) 夢なんですよねー。夢だからこそ起きる不可思議なあのタイミングとシチュエーションと、ただ夢っていうのは噓をつけないので智美本人の意思が裏表なく1と2で繋がって最後ゴールインしているので、本編も合わせてそこを聴いて頂けると嬉しいです。
興津:
(秋山と柴の)きっかけは智美ですもんね。(柴が)「愛してる」って言ってきたけど、「きもいきもーい」って言って、「おまえやったれよ」って言ったのは智美ちゃんだもん。
増田:
ごっめーん! すんません、何か悪いことしました。あれ、悪いこと?(笑) あっ、でもキューピッド! 聴きどころはキューピッドです。