収録を終えてのご感想をお教えください。(演じられたキャラクターへの印象など)
斉藤:
原作を拝見させて頂いて、すごく悪い人とか出てこないし、すごく痛いシーンとかも出てこないし、すごくいい意味で微笑ましい世界観だなと思いました。僕自身演じさせて頂いてすごく心が前向きになれたというか、歩くんがすごく可愛いなと思って。先生の描く原作の絵もとっても可愛らしいし、「こいつ、本当にすごくいいやつなんだな」って感じが演じていてものすごく伝わってきました。キャストトークCDでも話したんですけど、企み声、裏切り声、闇落ち声とかってよく言われますけど、今回はピュアピュアな感じで、僕の持ちうる全てのまっすぐな球をぶつけさせて頂きました。本当に楽しかったです。
白井:
実は僕も悠生と一緒で、普段、感情を表に出すのが得意ではなかったりするので、悠生に共感できる部分が意外とあったりして。自分が気を許せる相手がいて、歩に引っ張られてどんどん自分の思ってることが自然と出てくるようになっていくのが、すごくいい話だなと思いつつ演じさせて頂きました。今回は舞台俳優役ということで、役を演じている上で、さらに役を演じるシーンがあったりするので、そういうところはまた別の楽しみ方というか、色々な楽しみ方ができるというか、僕自身演じていてとても楽しかったです。
斉藤:
やっぱり響きのある声が羨ましいなって思って。舞台のシーンで声を張った時に、後ろの方までビリって響いてくるのがいいなと思って。
白井:
んなこと…。いや、でもそれが正解じゃん。マイク前って(笑)
斉藤:
いやー、でもいいなー。羨ましいなって思って。僕は気持ちが入りすぎて、他の人のセリフ読んじゃったけど(笑)
斉藤:
超キメッキメでいっちゃったしね! 廣瀬さんには申し訳ないことをしてしまって(笑)
:
※収録時、廣瀬さんのセリフを斉藤さんが力いっぱい演じてしまうというNGはありました。
演じられていて特に印象に残ったセリフやシーンがありましたらお教えください。
斉藤:
歩はどこも可愛かったですねー。ツンデレってわけでもないんですけど、プンデレ?っていうか…
斉藤:
ツンデレって、「おまえなんか嫌いだよ! …でも好き」みたいな感じじゃないですか。
斉藤:
そこまでは別にツンケンしてる人ではなかったんですけど。
斉藤:
そうそう。プンプンしながら頬を赤らめちゃうみたいなところが可愛いなって思いました。個人的にぜひ聴いてほしいなって思うのは、色々あった後に、家のベッドで寝てて「どうしようどうしよう! この先どうしよう!」みたいなシーンがあって。
白井:
あぁ! ゴロゴロしながら、悶々としてるやつね!
白井:
僕が演じた悠生は、最初の方はボソボソと覇気のないキャラクターなのですが、初めて感情を表に出すのが、司と別れたところを歩に見られたシーンでした。自分がゲイだってカミングアウトしたところとか、細かな感情の揺れ動きというか、それがすごく印象に残ってるっていうのもありますし、演じていて難しかったなと思う部分でもありました。
斉藤:
メインとなっているのは、悠生くんと歩くんがどういう風にして拙いながらも心を通わせていくのかっていうところだと思うんですけど、やっぱりもう一つのメインというかは、仁さんと司さんの二人がね。
白井:
そうなんだよ。司さんの元々好きだった相手云々っていうのが、まだ答えが見えてなかったりするので、どうなのかっていうね。
斉藤:
ね。きっと何かあったんだろうね。司さんのあの色々と悟ったみたいな寂し気な笑顔っていうか…
白井:
廣瀬くんはBLへの出演が今回が初めてだって。
斉藤:
え! 初めて!? 全キャラの中でいちばん難しいのが司さんだと思うので、すごいですね。
斉藤:
廣瀬さんはそれこそ舞台をやられていたわけだしね。カーテンコールのシーンもすごいリアリティーがあって。
白井:
やっぱりね! 今までの経験というか、慣れてる感が出てたよね。リアルな感じでした。
舞台俳優役という同じ「役者」を演じるにあたって、ご自身と重なる部分はありましたか? また、声優と舞台俳優ではここが違うという点、逆に似ている点などがありましたらお教えください。
斉藤:
声優はマイクに向かって芝居をしているんじゃなくて、その向こうにいる人に届けるためにあるっていうことをよく言われているので、根本的なことは変わらないと思うんですけど、舞台はやっぱり届かせないといけないから。
斉藤:
だから、悠生が「あいつ、うまいな」って言われてるのがすごくよくわかった。
白井:
あれプレッシャーだよね! あのセリフとか設定!
斉藤:
やれめっちゃ声がいいだの、めっちゃ歌がうまいだの、設定で先に外堀から埋められていく感じがね(笑)
白井:
そうなんだよね。ハードル上がっちゃってるよね(笑)
斉藤:
悠生はスイッチ切り替わる型の役者って感じで演じてたもんね。
白井:
そうそう。舞台に役として立つと、普段からは想像できないくらいガラッと変わる感じを意識して演じさせて頂きました。舞台での発声ってお客さんに届かせないといけないけど、意識は(話している)相手に向かってるっていうところが、やっぱり普段の声優の演技とは違うなって思いましたね。
作中で、役者仲間と一緒にアニメ鑑賞や舞台観劇をするエピソードがありましたが、他の役者の方と普段どういった交流をされていますか?
斉藤:
役者はお好きな方が多いですからね。そこで仲良くなるってこととかもね?
白井:
そうそう。本当にそうなんですよね。そこで出会った方とかもそうですし、制作の方とかもやっぱり好きな方が多いので。麻雀は一つのコミュニティーというか、コミュニケーションのツールなのかなって。
白井:
あぁ、ね。前に教えてほしいって言ってたもんね。
白井:
でもあれから別にやってないでしょ? ゲームとかでも。
斉藤:
何も。漫画読んだくらい(笑) 僕は歳の近い人とご飯に行ったりとかはしますね。
白井:
20代の男性声優さんはけっこう皆で飲みに行ったりしてるイメージがあるよね。
斉藤:
そうですね。よく集まる会みたいなのがあったりとか。でも、僕は芝居を観に行くなら一人で行きたい派ですね。映画とかも、別に人と行くのが嫌なわけではないんですけど、どっちかっていうと一人で観ちゃうかな。
斉藤:
でも、観るものによりますよね、多分。盛り上がりたいやつもあるじゃないですか。僕、アクション映画とかは人と一緒に観に行きたい。
白井:
あれは皆で盛り上がるみたいな感じがするよね。
斉藤:
下手かよ!(笑) 泣き上戸なんだよね、けっこう。
白井:
下手かよ!(笑) 泣き上戸なんだよね、けっこう。
斉藤:
映画がやっぱり一番泣くかもしれないな。あと、芝居とか舞台とか。
白井:
舞台はもちろん感動するんだけど、どっちかっていうと自分もやりたいって思っちゃう。
斉藤:
わかる! 本当にそう! 先輩とか同じ世代の方が出ているとやっぱりすごいなって。熱量が本当にすごいよね。
白井:
やっぱり生ものを直に観ているからすごく刺激されるんですよね、舞台って。
斉藤:
そう! 今日は我々もそんな気持ちを込めて演じました。
役者として舞台に立つとしたら、どんな役を演じてみたいですか?
斉藤:
なるほどねー。でも僕は舞台だからどうっていうのはあんまりないですけどね。そもそも僕は舞台経験がないので。
斉藤:
舞台をやらせて頂くっていうのは、それ自体が自分にとっての挑戦になるので、機会があったらやりたいなと思います。でも、これを演じたい!っていうよりは、頂ける役を演じたいというか、まずは頂いた仕事の役を演じることが大事かなと思っていますね。白井さんはどうですか? これやりたいとかあります? …クソド変態とか?(笑)
白井:
そうそう。変わったキャラクターの方がやっぱり突き抜けられるので、楽しいんですよね。
斉藤:
全くナチュラルな役どころっていうのも楽しいですけど、特にアニメとかはね、より突き抜けた役が多かったりもするので。舞台で二時間ずっと叫びっ放しとかはきついけど。
白井:
確かに。舞台は動かなくちゃいけないからね。そこを考えると、俺、くにゃ、ぐにゃってなっちゃうんですよ。動きがビシっとできない。
白井:
だからめちゃくちゃ気持ち悪い役とかは逆にすげー合う気がするんですよ。
斉藤:
「こいつ、いっつもクネクネしてんなー」みたいな?
白井:
「こいつクネクネしててすっげー気持ち悪いなー。なんだこいつは」っつって。
斉藤:
でも観た方の印象にすごく残るみたいな。それ、すごいいいねー。
白井:
舞台をやる機会があるとしたら、僕はそこを突き詰めていったらいいんじゃないかなって。
TwitterやBlogなど、SNSの使い方やこだわり、気をつけていることがありましたらお教えください。
白井:
壮馬くんはTwitterはやってないよね。
斉藤:
やってない。でもBlogはやってて、記事の冒頭に最近面白かった本とか映画とかアーティストさんとかを書いて、仕事に繋げようって思っていて。
斉藤:
そう。実際に繋がるんですよ。コミックスの帯を書かせて頂いたりとか。
斉藤:
でもそれは打算が先というよりは、ラジオとかで今はパーソナルなものをやっていないので、自分が最近これが面白かったって発信する場がないから、それは意識的にやっていますね。Twitterはよりリアルタイムですけど、何か気をつけてることとかはあるの?
白井:
いや、俺は特には気をつけてはいない。ありのままを呟いてる。
白井:
そうそうそう。その方が絶対楽だから。何か一つイメージがついちゃうと、なかなかそれから抜け出せないじゃないですか。