東京漫画社レコード

今回CD二枚組というボリューミーな分量だったんですけれども、間や空気感を大切にしつつもテンポよく収録ができて、終わってみればあっという間の収録でした。随所に色々と楽しいところがある収録をさせていただきました。ありがとうございました。

原作も先生が二年間をかけて描き上げたという大作で、そしてCDも二枚組という大作となっております。僕らは、限られた時間の中で演じ上げるということで、すごい重責を担っていたわけですが、変に重みを感じすぎず、やりがいをすごく感じながら楽しく演じることができたので、出すものは全部出し切れたんじゃないかなと勝手に思っております。

雪鷹に関しては、時雨の面影を感じさせるという大切な前提があったので、そこも大事に演じさせていただきつつ。とはいえ、雪鷹としてこのストーリーの中で躍動していきたかったので、彼の気持ちを重ねることを最優先しました。雪鷹は、ベースはヤクザの息子ということで、大仰な部分や豪快な部分がありつつ、でも根の人の好さからかギャグシーンみたいなところに色んな表情が出ていたので、今回演じていてすごく楽しかったです。どこまで崩していっていいかをディレクターさんとも一つ一つ相談させていただきながら、丁寧に雪鷹を演じさせていただきました。

春は、別に感情がないわけではないんですけど、感情の振り幅をギュッと凝縮させて、元々あまり感情を表に出さないように演じていて。でもその根底には十一年間ずっと時雨への気持ちを引きずって想い続けていて、そういう想いを持ちながらのセリフというのが、とても繊細で難しかったという印象があります。先ほども言った通り、すごくやりがいのあるキャラクターですので、収録を終えた今すごく達成感がありますね。

雪鷹は、フラッペ的なものを飲んでいたりと、意外と甘いもの好きっていうのが印象的でした（笑）
何より、星の見える丘に連れていくというのが意外で、“そういう発想あんだコイツ”っていう（笑）
それも相手のためにっていうのが素敵だなと思って、あのシーンはけっこう僕も好きなシーンですね。

被っちゃうんですけど同じシーンで、僕が雪鷹のことを可愛いなと思ったのは、「……俺が、俺が眠らせてやる」ってセリフからの、ヒーリングミュージックを聴かせたり、「この映画つまんないから観に行こうぜ」って誘ったりとかが、まぁ可愛いな～と！

一生懸命考えてこれだったんでしょうね。

ねー。ほんと、バカで可愛いっていうのはこういうことを言うんだなと。僕としては、雪鷹のそこに惚れましたね。本当にいい裏切りですよね。思わずクスッとしましたし、“そうきたか、やられた～”っていう感じがあったんで。もちろんね、いいシーンは他にもいっぱいあるんですけど、そのシーンはギャップがあって特に印象に残りました。

雪鷹として、実際に収録上で一緒にいられた時間は短かったんですけど、森川さんが演じるからこその雰囲気感やキャラクター性を出してくださっていたので、背中についていきたくなるような感じがしました。作中ではある種、憎まなければいけない存在なんだけど、好きな部分もあって…みたいな複雑な関係値の仲ではあったんですけれども、やっぱりとても存在感が大きいなと思いましたね。

雪鷹は、見た目は何となく時雨に似ている面もありますが年下の可愛いやつで、時雨は完全に相反していて大人な魅力たっぷりの男でした。しかも演じられたのが森川さんですからね。これはもう男が抱かれても仕方ないんじゃないかと思わせる魅力たっぷりのキャラクターだと改めて思いました（笑）

雪鷹は何だかんだで面倒見はいいような気もするので、上についてくれたら…いやでもな…、ヤクザってなると、死んじゃうのであれですけど（笑）　でも、そうですね。いてくれるなら雪鷹なのかなとは思いますね。リクとのやりとりの感じなら、平和的に楽しくやれそうだなって。何事も起こらず、ただただ平和にヤクザがやれるなら、雪鷹かなと思います（笑）

僕は下に月守が欲しいです（笑）

料理も作ってくれるし（笑）

そう。料理もね、すげーうまかったじゃないですか。まあ、感情がちょっとあれですけど、別にそれ以外はそつなくこなしてくれるんだったら、ちょっと小遣いあげて、ぜひお手伝いさんにね。文句言わなさそうですし、やることやってくれますし。欲しいっす（笑）

裕さんも先ほど言ってましたけど、ナツメ先生の二年間をかけた超大作！　本として見ても相当分厚いこいつが、この度、二枚組CDという形で皆様のお手元に届くことを嬉しく思います。原作ファンの方はもちろん楽しみにしていらっしゃったと思いますし、この記事を読んで初めてCDで聴いてくださるっていう方は、もし良かったら原作と合わせて聴いていただけると、より作品を深く楽しんでいただけるのかなと思いますので、ぜひ二度三度と何度も聴いて楽しんでいただけると嬉しいなと思っております。そして引き続き応援の方をお願いします。ありがとうございました！

前作から二年間待っていたファンにとってはもう待ち焦がれた作品となっていると思います。『MODS』も大作で素敵ないい作品だったんですが、それに負けず劣らず、スピンオフなのにこんな大作に！　『MODS』を収録した当時、森川さんと「またスピンオフがあるといいねー」なんて話もしていましたが、こんな大作になってやってくるとは思わなかったので、僕自身もすごく嬉しいですし、ファンの皆さんも堪らないんじゃないかなと思います。もちろん、原作を読んだ方もそうでない方にも、何度も何度も聴いていただきたいと思える作品になったと思います。ぜひ聴いてください。よろしくお願いします。

前作の『MODS』の収録の時に「続編をー」なんてことを話していたので、こうして続編が決まって、久しぶりにまた時雨を演じることができたという喜びが大きいですね。あと、前作の『MODS』から二年ぶりということで、当時の演技に合わせることに単純な焦りが若干ありました（笑）
話自体は重いテーマではありますけど、仲のいいメンバーと本当に楽しく収録することができました。オーディオドラマってどうしてもライブ感みたいなものがとても大切だったりするので、皆で一緒にセリフの掛け合いができて、お互いの間や息遣いみたいなものをリアルに感じながら演じられたので、すごくやりやすかったですね。あとは、先生に収録に立ち会っていただけたので、そこが心強かったですね（笑）

春に対しての想いとか、お兄さん的な部分だったり、恋人だったりとしての立ち位置的な部分ももちろんあるんですけど、彼自身はとってもピュアで純な男なんだなっていうのがすごく感じられて、今回演じることでより彼の魅力が浮き彫りになったというか、ファンの皆さんも多分またグッとくるんじゃないかなと思います。

子供の頃の雪とのシーンもすごくいいんですけど、春と線香花火をするシーンが特に好きですね。春に、「何で線香花火なんかしてるんだ」って訊かれて、「夏なんだから花火くらいしねえと失礼だろ」っていうやりとりが、何でもないようなシーンなんだけれども、時雨というキャラクターの深みみたいなものが出ているように感じられて、僕の中ではツボでしたね。台本を読んでいてすごくいいなあって。逆にこのシーンがなかったらどうなってたんだろうなっていう思いもあって、ここは僕にとってもお気に入りのシーンですね。
花火って、つぼみから咲いて散るまでを、一人の人間とか男の一生に例えることもできるじゃないですか。線香花火なんかもそうで、チリチリした火のところが落ちちゃったっていうのがすごく儚くって、人生のすごく不安定でデリケートなところで彼自身が生きてるみたいなのが重なって、何だか時雨とピッタリと合っていて、そこが僕好きなんですよね。オーディオドラマということで、線香花火の音も入ったりしてより素敵なシーンになると思いますので、皆さんで想像してもらいながら楽しんでいただけたら嬉しく思います。

皆ヤクザですからね、そういうヤクザを自分の上にしたり下にしたら、自分がもうヤクザってことになりますからね（笑）　僕は自分が演じてるっていうのもありますけど、上でも下でも時雨ですかね。こういう純粋な男が僕は好きだったりもするし、一緒にいたいなっていう思いはあるし。なので、時雨ですね（笑）

ファンの皆さんのおかげで二年ぶりにまたオーディオドラマ化することになりました。僕の中ではけっこう最近のような感じがしていて、“ああ、もう二年経つんだな”と思ったりもしています。オーディオドラマ作品っていっぱいあると思うんですけど、僕の中で、人間の深層奥深くにあるヒダヒダを演じることができて、表面的なわかりやすい演技ではなく、高度なお芝居を要求してくる今作がとっても大好きです。
原作のファンの方ももちろんですけど、まだ原作を読んでいないという方にもぜひ想像力を働かせて聴いていただいて、皆さんの頭の中で各キャラクターを音で立体的に動かしていただけると嬉しく思います。皆さんのご期待通りの時雨が描かれていると思いますので、ぜひ楽しんでいただければ嬉しいです。ありがとうございました。