羽多野:
最初に原作を読ませて頂いて、豪太郎はコミックスの表紙や1ページ目の印象だと、とてもクールな男性なのかなと思っていたんですけど、読み進めていく内に人情味溢れるというかとても熱い印象を持ちましたね。また、ちょっと天然なところがあるというか、人懐っこさっていうんですかね。良子さんとの掛け合いでもそういう部分が表されていたので、とにかく細かく緻密に計算をしてというよりは、セリフのままに素直にキャラクターを演じさせて頂きました。何だかとてもやりやすかったなーという風に思っています。
斉藤:
同じく一番最初に原作の先生の絵を拝見したときに、BL好きとしては、「これは俺には分かる。この目つきは絶対にこの後ダークな話が始まるんだ」って思ったんですよ。でも、めちゃめちゃいい話で(笑)
斉藤:
まだまだBLの道は長いなと思ったんですけど(笑) 本当に素敵な絵と、いたずらに誇張することのない、生身の人間を感じさせるキャラクター達が、とても素敵なストーリーの中で生き生きと魅力的に描かれていて。僕も秋人の気持ちで原作を拝読させて頂いたんですけど、無理して作り込むことなく、自然とスッとこの作品に入っていけるような感じがしました。実際に収録が始まってみてもずっと同じ気持ちで、本当に心地よい安心感といいますか、皆さんと一緒に温かい気持ちで行えた収録だったので、すごく楽しかったです。
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―――可愛いツンデレをありがとうございました!
羽多野:
あははは(笑) 文字になるといい感じの空気になりますね(笑)
演じられていて特に印象に残ったセリフやシーンがありましたらお教えください。
羽多野:
本当にどのシーンも良いシーンだったんですよねー。
羽多野:
強烈だったよね。一気に空気が変わった瞬間だったので(笑) 純さん役の潤さんの登場がやっぱり印象的で(笑)
斉藤:
羽多野さんが「純さん!」てセリフで仰ってるのを隣で聴いていて、何か「あぁ、あっ」て思いました(笑)
斉藤:
何かすごいものを見ている気がする!って気持ちになりました。
羽多野:
確かに!(笑) 聴いてくださる方も、聴いていてクスってなるシーンだとは思いますし、キャラクターとしてもちょっとはちゃめちゃなキャラですから、純さんのシーンは聴きどころですね!
秋人とのシーンが多いので、勿論当然そこも楽しかったんですけど、他のエッセンスとして良子との掛け合いとか、かなこちゃんとのシーンも楽しかったですね。豪太郎自身も当然小さい子、特に女の子との触れ合いっていうのに、ちょっと不器用になっているっていうところに何だかほっとしましたね。何だか、不器用でいいじゃないですか。子供に対して慣れてなくてもいいっていうのが何だかすごく安心するなって。慣れた感じを出さないといけないときが一番緊張するので。なので、楽しく演じさせて頂きました(笑)
斉藤:
と、羽多野さんは仰いますけど、小っちゃい子と接しているときの、微妙な違いなんですけど、声色が普段より少しやわらかくなった感じとか、やっぱり豪太郎さんのすごくいい人らしさが出ていて素敵だなと思いまして。
豪太郎さんのセリフの中でも僕が一番グッときたのは、「待ってる」ですかね。あれは、もう僕自身「(一段高い声で)はいっ!」ってなりました(笑) 年齢的にも豪太郎さんが年上なので、包容力といいますか、引っぱっていくというよりは、どっしりと構えて受けとめてくれるんだな、この人はっていうところの安心感みたいなものが、すごく好きだなって思いましたね。
秋人は寂しんぼという設定でしたが、ご自身はどうですか?
斉藤:
やっぱりロマンチストは、寂しがりやなんですよ。
羽多野:
寂しがりやですね。星降る夜は、やっぱり寂しさからついつい皆の声が聴きたくてエゴサしちゃいますね。
羽多野:
寂しくなくてもやってるんだけどね。結果、やってることは変わらないっていう(笑)
羽多野:
皆、この地球という一つの家に暮らす家族なんだっていうのをね。
羽多野:
あはははは(笑) ロマンチストゆえにですよ?
斉藤:
よく友人とかにも言われるんですけど、僕自身、自分でも寂しがりやだなぁと思ってるんですけど。寂しがりや、かつ一人でもいたいみたいなタイプの人、たまにいるじゃないですか。僕、それなんですよねー。だから多分、接する人からしてみたら、「んんっ、どっち!?」ってなると思いますね、多分。
斉藤:
「いや、明らかに寂しそうじゃないか、君は?」みたいな。例えばなんですけど、「今日飲みに行こうぜ」って一緒に飲んでて、「何かちょっと眠くなったから帰ります」って帰っちゃうみたいな。何か一貫性を持てみたいな。RPGの入口に立ってる村人であれみたいな!(笑)
斉藤:
寂しいなら寂しい、一人がいいなら一人がいい。
斉藤:
寂しがりやかなとも思いますし、けっこう面倒くさいんじゃないかなーと思います。
羽多野:
人間誰しもそういう部分があるかもしれないもんね。誰かといたいけど、一人になりたいときもあるしね。
豪太郎は昇任試験に合格していますが、試験・テストの思い出などがありましたらお教えください。
羽多野:
いやー、もう本当に試験とか苦手なんですよ、昔っから。
羽多野:
うーん。高校入試の時、試験の開始40分前に中学校単位で集まって試験会場に一緒に入るっていう、そういう決まりだったんですよね。で、壮馬も分かると思うけど、僕すごい心配性でだから、1時間前に着いちゃったんですよ。で、試験会場の目の前のコンビニで時間を潰して、40分前に校門の集合場所に行ったんですけど、同級生だった他の生徒たちが、全っっっ然来ない!
羽多野:
結局、寒い中ずっっと待たされて10分前でようやく全員そろって。で、試験会場に行ったら、長く外で待ちすぎたせいでお腹が痛くなっちゃって。試験中ずっっっとお腹痛いんですよ。忘れられない、地獄の入試でした。
羽多野:
終わった後、帰ってからももう意識朦朧としてるから、「あれ? 名前書いたっけな?」って色々と心配になっちゃって。結果からいうとね、何とか合格できて高校に入れたんですけど、もう忘れられない入試で。それでなくても緊張とかそういうのもあってお腹が痛くなりそうな状況だったのに…。
それ以来試験ってなると、勝手に緊張しちゃって。現場とかもあんまりギリギリに入れないんですよ。何があるか分からないから、早く行っておこうみたいな。
斉藤:
今、40分前のところを1時間前に入られたって聞いた時に、羽多野さんにしてはけっこうゆっくりめだなって(笑)
斉藤:
だって、仕事とかでも羽多野さん、すごく早めに現場に入られるじゃないですか? だから、弊社も多分1時間くらい遅めの時間を伝えた方が良いんじゃないかっていう(笑)
羽多野:
よくイベントとかで、待ち合わせて合流してから移動するときとかもね、待ち合わせ場所に集合時間の大体1時間くらい前に行っちゃうんですよね。で、近くでコーヒーとか飲んで時間調節して、みたいな。今日も朝10時からの収録でしたけど、9時前にはいましたからね、この街に。降り立ってましたからね(笑)
斉藤:
ほぼコンビニくらいしか開いてないですよね(笑)
羽多野:
そうなの! そうなのよ! やっぱり東京都内もね、移り行く街並みなんですよ、今。
羽多野:
ね(笑) あったカフェがなくなったりとかね。この辺もガンガン変わってて。結果、コンビニでデニッシュを頬張る朝でしたね。
羽多野:
壮馬は試験とか、何も緊張とかしないでしょ!
斉藤:
いわゆるテストとかは、けっこう緊張もしますよ。僕、数学だけ本当に苦手だったんですよ。あまりにもできなすぎて、模試の回答で、採点者の方が講評というか寸評をしてくれるんですけど、「君、足し算知ってます?」みたいなこと書かれて。
斉藤:
「まず四則演算の基本を学びましょう」みたいなことが書いてあって。「いや、足し算は知ってんだよ。割り算を知らなかったんだよ」みたいな(笑)
斉藤:
でも勉強自体がけっこう好きだったので。テストとか試験って緊張もあるんですけど、同時に、自分のやってきた勉強を試せる場でもあるじゃないですか。だから、そのドキドキが心地よくもありみたいな。
斉藤:
でも試験のあと、皆で答え合わせとかするときに、自分だけ回答が違うときがあるじゃないですか?
斉藤:
本当は2って書いてたのに、皆に合わせて「4だよね」って言ったりして。で、何か段々と自分でも本当に4て書いたみたいな気持ちにすり替わってくるみたいな。ま、2なんですけど(笑)
斉藤:
間違いなんですけど(笑) ある意味、自分が勉強して何かの試験を受けるって、大人になるとなくなるじゃないですか。
斉藤:
だから試験とか受けたいですね。とりあえず、やっぱり免許証ですかね。
斉藤:
気づいたんですよね。身分が証明できないってことに。やっぱり公的なものだと、パスポートを持ち歩くみたいな状況になっちゃうんですよね。
斉藤:
今日も持ってます。通帳も持ってますよ、今。
斉藤:
だからもうずっと、東京という街の中でカバンをずっと胸に抱えながら、キョロキョロしてて(笑)
斉藤:
あと、言語の勉強とかしてみたいですね。外国語と言いますか、今一番やってみたいのはドイツ語なんですけど。
斉藤:
ヨーロッパの言語をちょっと勉強してみたいなと。最近、ベストセラーになっている本があって、一単語一単語で翻訳できない、その言語にしかない概念みたいな単語があって。例えば日本語だと『木漏れ日』とかがそうなんですけど。
斉藤:
そうなんです。英語には『木漏れ日』っていう単語はなくって。
斉藤:
そういう言語間の文化の違いみたいなのが、いいなって。
斉藤:
「Sunlight that filters through the leaves of trees.」みたいな。
斉藤:
長くなっちゃうらしいんですよ。単語じゃなくて、文章じゃないと訳せないっていう。それが面白いなって思いますね。
純は虫全般が苦手ですが、苦手なもの・苦手なことなどがありましたらお教えください。
羽多野:
苦手は、色んなところで言ってるんですけど、羽多野はパクチーが食べられない男ですねー。
羽多野:
うーん。なんかもう本当にこんなこと言うと、好きな方には本当に失礼になっちゃうんだけれども、台無しにしてる感じがすごいんですよ、やっぱり。
羽多野:
それがなければー‼ っていつも思っちゃうんですけどね。お好きな方には本当に申し訳ないんですけどねー。どうしても苦手なものってあるんだなって思いますよね。
斉藤:
僕は、生まれる星を間違えたんじゃないかなってくらい苦手なものが多かったんですけど(笑) 大人になることのいいことの一つは、嫌いだったり苦手だったものを愛せるようになるってことですね。例えばシイタケとかが昔ダメだったんですけど、だからシイタケがダメな役とかも役とリンクするみたいなこともありましたけど(笑) この間、ごはんを食べに行ったときに、シイタケの肉詰めを食べてみたらめちゃめちゃ美味しくて! また一つ好きになってしまったなみたいな(笑)
斉藤:
大人になるとそういうのがいいなと思いつつ、逆に大人になってダメになるものもあるじゃないですか。これが僕、虫です。
斉藤:
いやもう、子供の頃は「わー! ミヤマクワガタだ!」とか言って追いかけてましたけど、なんていうか、あの虫的な動きがダメになっちゃって…カサカサ、カサカサみたいな。
羽多野:
何でなんだろうね。子供のときは全然平気で、トンボとかも捕ったり捕まえたりしてたのにねー。
斉藤:
だから正直、純さんの豪太郎を認めるポイント、僕はめちゃくちゃ分かります!
斉藤:
ほいほい、ポイって。しかも殺さずに逃がしてあげるっていうのも、これまたポイントが高いっていうか。
斉藤:
だから、虫得意な人ってカッコいいなって思います。
羽多野:
よくねー、昔は小さな蜘蛛とかを殺さずにちゃんと外に逃がさないと悪いことが起きるとかあったよね。
羽多野:
子供ながらに「ムチャ言うぜ!」って思ってた(笑)
羽多野:
力の加減が難しいぞーって思いながらね。でもやっぱり田舎なんで、虫とは共存関係ではありましたからね。最近、とあるアニメの監督に誕生日プレゼントって言って、わざわざ銀座かどこかにある僕の地元の長野のアンテナショップでイナゴの佃煮を買ってきてくれて!(笑)
羽多野:
「わっほーい!」って思いながら(笑) 確かに小さいときには食べてたけど、今食べれるかなーと思って、ちょっと恐々食べてみたんですけど、めっちゃ美味しかったです。