東京漫画社レコード

最初原作を受け取ったとき樹君がかわいらしい感じだったのでわたくしで行けるかしら？と思いつつ、ちょうど別現場で俊樹と会った時にそのような話もしつつ
小野：あははは（笑）お互いにね、我々でいいのでしょうかみたいなところもありましたが、有り難いお声がけだったので何とか樹君の素直なかわいらしさを感じてもらえればなあと思いながら精いっぱい演じさせていただきました。

小野さんとはこれまでにも共演させていただいていたので、お互いの声のバランスや芝居感的なところを想像して、僕に求められているであろう声や芝居を準備していきましたが、
実際現場に入ると思った以上に想定していなかった引き出しのディレクションだったので個人的には少し苦労しつつ臨んだ収録でした。

明確に「おっ」って思ったのは圭がギアを早々に切り替えたところですかね。（笑）
「あー、もう限界」のところですね。はや！って思いました。（笑）俊樹の雰囲気感も相まって印象的なシーンではありますね。「ホントの俺見してあげるよ」のくだりとかね。あと作品上先入観なく読んでいったときに、ヒントとしてマネージャーさんのニュアンスみたいな「ま、なんもないならいいけど」ってところでだんだん圭の本性が出てくるのかと思ったら思いのほか早めに来ましたね！（笑）そういう意味ではストーリー上も印象的でした。

僕は、特にこのセリフ！というよりは、お話全体を通して俯瞰で見ながら楽しんで演じていました。芸能界の話なので一見スキャンダラスや刺激的なものかと思うんですけれど、僕が感じたのは普通の人と同じように職場の色々なしがらみのなかで二人がどこかですれ違っていて、片思いのようなものを交差させていき、お互いの気持ちを近づけていく作品だと思いました。

冒頭でもいった部分にかかっているんですけれども、求めて頂いているところとは別に、自分的にはまるかどうかっていう声質の部分ですね。演技をいくら一生懸命頑張っても、9歳のくらいの声が出ないみたいな。極端な話でゆうとそういう部分があって、やっぱりまず声として僕の描く樹君でありたいなって思いがあるのですが、いざマイク前に立つとそんなことを気にするよりもその瞬間、瞬間を生きていたいなという思いのほうが勝ってくる感覚がありますね。やっぱり自分は人の声が好きだったり、音に関わることが好きだったりするんで、コイツの声はこうありたいっていうのはあるんですけれども、そこも大事な要素なんすけれど、それ以上にその瞬間をそいつとして生きていられるかということを気を付けて演じています。

バランスと音響監督からの演出ですかね。僕らはオーダーをされる側なので、この現場においてどういう風にお芝居をして何が大事なんだろうと意識してやっています。

まさしくこの原作を読んだ時ですね。わかりやすく感動の再会みたいなものに弱いんですよ。彼らが再会する部分もご多分に漏れず、過去の経緯があってそれがフィードバックしての今っていう部分にほろりとしてしまいましたね。

最近で言うと、曲を聴いた時に泣きましたね。MVのアニメ映像と曲の歌詞がとてもリンクしていて、そのアニメを見たりゲームで遊んでいた小学1年生の頃の僕の背中を見ているような感覚になりました。大人になった僕からは、当時の僕がちょっと遠く感じて物悲しくなりましたね。

樹君として参加させていただけて嬉しく思っております。まだまだ掘り下げられる箇所がたくさんある作品だと思っておりますので、要さんと斧田さんの過去回含め続きが見たいですし、また演じさせていただきける機会があればうれしいなと思います。ドラマCD楽しみにしてください。

役者同士の共同生活、普段だったらないような特殊なシチュエーションのなか展開される両片思いが両想いになるような作品ですので、原作を読んでいる人もまだ読んでいなくて興味が沸いた人もドラマCDとともに楽しんでいただけたら嬉しいです。