収録を終えてのご感想をお教えください。(演じられたキャラクターへの印象など)
江口:
今回は4人での収録だったのですが、非常にリラックスした雰囲気で、いい空気が流れている中で収録できたと思います。楽しかったですし、ちばしょーがどうやって演じてくるのか楽しみにしていたんですけれども、最後はまんまと「可愛い…」ってなりましたね(笑)
江口:
そんな感じでやらせていただいたので、本当に最後まで集中して収録できました。
千葉:
江口さんの陽名(ひな)に対して自分はどうすれば掌の上に乗せられるのか、色々イメージはしてみたものの、現場に来るとやっぱりキャラクター通り(江口さんに)リードしてもらった部分もありますし、各々のキャラクターのマイペースなところが出ていてすごく楽しかったです。漫画を読んだときに感じた印象よりも掛け合いが多かったなというところがあり、自分の想像していたところじゃない部分に良い意味で落ち着いたなという感じで楽しかったです。
広瀬:
セリフ的にはあまり多くはなかったんですけど、キャラクターのつかみどころ的には最終的なテストをやっていい感じに落ち着いたのかなと思いながら、皆さんも言っていますが、それぞれ個性があり、誰も似ていないんだけどなんとなくみんな集まっているんだなという感じもして、とても楽しかったです。野次馬も少し演じたのですが、野次馬の度合いが…
江口:
野次馬の話は別にいいだろ!兼ね役の感想いらないって!
広瀬:
あれはちょっと2テイクくらいさせてもらって、本当に危ないんじゃないかって気持ちで演じさせてもらったんですけど、
広瀬:
二つ目の「やや」みたいなテンションの感じを少し下げすぎて…
広瀬:
リテイクが申し訳ないなって気持ちでしたね。でも最終的に落ち着いた「リアルさ」みたいなところが聴きどころではありますね。
千葉:
広瀬君とBL作品とかで一緒になると、いつもインタビューで兼ね役にすごく注目するっていうのが恒例になってきてる気がする。
千葉:
以前、別の現場でも広瀬君が「どいてください」っていうセリフがあって、それもすごいヒーローっぽくやりすぎて「もうちょっと普通にやってください」って(笑)
広瀬:
だから僕の存在がプレッシャーをかけてしまったのかもしれない。
広瀬:
なにかやらなければというか…余計なことを申し訳ないです。まぁでもあれも一つの大事な要素なので。
江口:
いやいや、いいんだよ別に(笑)素晴らしいかもしれないけれども。
千葉:
物語的には注目してほしくないんだよな(笑)
今作の聴きどころ(セリフやシーン)をお教えください。
江口:
最初に、死神の仕事に付いて回るみたいなシーンがあってスタートするわけですけれども、途中から死神になった経緯のエピソードがあって、そしてまた最初のシーンに戻ってくるというところで、同じシーンでもモノローグが入っているのと入っていないのとでだいぶ見え方が変わってくるなと感じました。その時の夜泉の感情というかキャラクターの後半の可愛らしさみたいなところも含めて、楽しんでいくキャラクターなんだなというのが分かるシーンだと思うのでそこはいいなと思いました。まぁ夜泉の可愛らしさはやっぱりモノローグを知ってる我々だから思うところかもしれないですけどね。
千葉:
原作が、死神や非日常の部分がとても華やかに描かれている作品だと思うので、そこをどんな風に表現するかが頑張るべきところかなと思っていました。ですが、ちゃんとそのあたりを感情の赴くままに喋って切り替わるように、ドラマCDとして演じやすい脚本にして頂いているなと思いました。聴いてほしいところとしては、やっぱり「過去に知っていたんだ」って部分の驚きだったり、忘れられていて少し寂しいみたいなところも、僕的にはそれを踏まえてでも笑いながら声をかけている夜泉の人間性みたいなところが印象的でした。そういうバックボーンみたいなところは、現段階では想像を膨らませて聴いていただけたらいいなと思いました。
広瀬:
杏(きょう)平(へい)は割と若くてイマドキっぽい感じの男の子の印象でだったのですが、関わっていく中で、亡くなってしまった方のことを思って悔しいとかやるせない思いみたいな感情が結構全面的に出るタイプなんだなと知って、良いやつなんだなって思いましたね(笑)あとはやっぱり野次馬の話でも…
広瀬:
あと、陽名との掛け合いはすごく楽しかったですね。杏平も遠慮してない感じがなんか、モノローグでも「意外と良いやつなんだな」みたいなことを言ってくれていましたし。全体的に良いやつなんだなって思いましたね。仕事も出来そうな感じはしましたね、「俺やっときますよ!」みたいな。
広瀬:
そうそう。後輩に欲しいタイプの子ですね。ゼリーもくれるし、彼女のことも「優先していいですよ」みたいなこともやってくれるし、気遣いの良い人でした。
作中で陽名は幼少期から霊感があるタイプだったと言われていますが、ご自身は霊感があると感じたことや不思議な体験をしたことはありますか。
江口:
そうですね、やっぱり何を隠そう私自身………ゼロ。
千葉:
めちゃくちゃ霊感があるみたいな顔してた、ある雰囲気でしたよ(笑)
江口:
だから夜の校舎とかあるじゃないですか、何も怖くない。
江口:
例えば、廃病院とかに行ってくださいって言われても別に行ける。
江口:
(笑)僕、茨城県出身で、田舎だったんですよ。街灯も無いような山の中で暮らしていたので、本当に暗闇が当たり前だし、あと古いタイプの家屋だったのでトイレも外でしたね。公園のトイレみたいな造りで外にあって、そこに洋式と和式がありました。小学校低学年のときも一回外に出て真っ暗な中一人で行って用を足すみたいな感じで生きてきたから別に怖くない。敷地内ですけど、そんな時間にまず人が歩いていることがないので、全然大丈夫ですね、物音とかも全然気にならないです。
江口:
そこで何かあった場合は「夢あるな~」くらいには思うけど。逆に来てくれよって思うけど全然来ない。
千葉:
すごいな…。僕も別に経験はないですけど、金縛りはめちゃくちゃありますね。
千葉:
金縛りは科学的にはね、完全に霊的現象じゃないですけど、金縛りにすごくなるし怖いんですけど、幽霊別にそんなに自分のこと恨んでなくない?っていう理論で怖くないってことに最近気づいて。お風呂で目をつぶって入るのは怖いので目開けていますけど…
千葉:
でも幽霊に恨まれることしてないから、何かされるいわれはないっていう点で己を保てるようになりましたね。
江口:
でもあいつら、なにもないのに来るのが怖いんじゃん…。
千葉:
自分の中で後ろめたいことがあるから怖いのかなと。
江口:
なるほどね、その闇に飲まれていくんじゃないかと。
千葉:
例えばね、何かを祭(まつ)っているものとかに関しても、ちゃんと感謝とかしているかとか。
広瀬:
そういうの守ってるな、俺!方角とかすごい守ります。
広瀬:
家で人からもらった物とか落としちゃったら謝ってます。
千葉:
そういえば一回ラジオの収録をしていて、いないはずの人の声が入っていたことがあります。男性しかいないラジオ現場で女性の声が入っていて。
千葉:
いるもんはいると思っているから、自分に害があるかないかっていう。
広瀬:
もう絶対にみえてるじゃん、っていうか俺じゃん(笑)…いや、ないです(笑)
広瀬:
なにか一つぐらいあったらいいんだけどね(笑)まぁでも怖いは一緒ですね。
広瀬:
怖いタイプですね。でもなんか明るい陽の気を放っている人には来ないって昔聞いたことがあって、「怖い」とか思ったら元気にします。あと、それこそ性的なものには映らないらしいです。心霊写真も全裸とかには出てこないらしいので。怖いときは性的なことを考えるといいって言いますよね。
広瀬:
なんか多分、“生きる”とかのエネルギー力が強くて「この人には無理だな」って思って闇の方に行っちゃうんじゃないかな。そこはポリシーとしています。
広瀬:
幽霊とかじゃなくてただスケベなだけ?(笑)
広瀬:
そうですね、中学生男子の心を持っていればもしかしたら遭遇しないかもしれないよね。
作中で「死神の掟」がありましたが、ご自身の仕事での掟、決め事などありましたら教えてください。
江口:
真面目な話になっちゃいますよ、仕事の話ですから。
江口:
(笑)早くない?まだ(笑)寝てるっていうフリは早いよ。そうですね、例えば一日一件お仕事をやらせていただくときもあれば二件のときもある。「なんか今日詰まってるな、ありがたいけど」っていうとき、例えば一日三件とか仕事があったとしたら、“三軒”お酒をはしごするっていう。
江口:
だから、その日の仕事数がイコールその日に飲む店の数。
江口:
これは最低の数です。仕事が三件あるってことは割と遅くに終わるんですけど、そこから意地でも行きます。
江口:
だから仕事だけで終わる日がないようにしています。行かないと次の日の仕事に響きますね。疲れちゃうじゃん(笑)仕事だけだとやっぱりどうしてもね、本来の自分を置き去りにしてしまうというか。やっぱり誰かを演じているから、僕はその誰かを演じてないときも必要なんですよね。だからこそプライベートの自分っていうものをその日にトントンで設定できると次の日にも安定した精神力で仕事ができるっていう。
江口:
仕事とプライベートの配分がね、このバランスが上手くいかないと「なんか今日しんどいな」みたいなときがあるんですよ。こればっかりはもう精神的なものなんですけど。自分の中ではそういったものが一番バランスの取れるやり方っていう感じですね。次の日がすごく早くなければ朝までのときもたまにはね。
千葉:
僕は、その現場の一個良かったところ、すごい印象的だった部分とか、この役のこのセリフ良かったなとか、相手さんのここ良かったなとか、一個でもいいから必ずそういうのを持ち帰りたいなっていうのはクセかもしれないですね。そうしないとなんか一件の仕事として終わっていく感じがして。逆に僕はプライベートと仕事が結構ほぼ地続きだから、何か残した時間にちゃんとできるように働きかけていくというのはあるかもしれないですね。「あの人誰だったんだろう」って思いながら終わると少し寂しい自分がいるって気づいたので、そうならないようにちゃんと挨拶したりとか話しかけたりとか、そういうのはありますね。あとは多分、夜ご飯とかすごいちゃんと食べますね。
千葉:
次の日、元気な自分でいるために食べまくってエネルギーを溜める。どんなに時間が遅くても食べないと翌日がダメだなって。うなぎとか。
千葉:
だから周りが「夜遅いから軽く済ませるか」みたいなノリでも、俺は全力で食べるよって。
広瀬:
確かに。以前一緒に海鮮の居酒屋に行ったときに、刺身と海鮮丼を頼んでて。
広瀬:
そう。で、「その海鮮丼は俺が食べる」って。
千葉:
まぁそうだね。居酒屋に行って単品で丼を食べちゃうんですよ。
広瀬:
だからちゃんと夜ご飯を食べるってことよね。
千葉:
「すっごい美味しかったな、お腹いっぱい」っていうので自分の元気をリードしてる感じですね。
広瀬:
僕は全アフレコとか全てにそうやってるわけではないし、人間関係とかも全部そうなんですけど、割となんかいい事を思い描くっていうのはよくやっていますね。例えばライブとか人の前で喋る時とか、すごい拍手されてるとかすごいウケてるとかを想像して、そしたら自然にその道を歩くかなと思って。だからさっきの野次馬も…
広瀬:
いやこれ本当に!言おうか言わないかを正直ずっと悩んでいたんですけど…
広瀬:
でもちょっと笑いになったらいいなって笑ってくれてることを思い描いたんですよ。それで、よし言ってみようって言ったらやっぱりみんな笑ってくれて!
広瀬:
本当に本当に嘘じゃない!(笑)だから全てにおいてポジティブなイメージは作っていますね。芝居の前に自分のやりやすい環境をまず作るみたいなのはあるかもしれないですね。
広瀬:
いっぱい上り続けるので、もうやめたらって思われてもいつか10段目くらいでちょっとだけクスッと笑ってくれることもあるので。
広瀬:
めげないですね。僕は「クスッ」で十分なので。「クスッ」を探しているみたいなところありますね。僕の掟は「クスッ」を探すことですね。
江口:
今回、声を担当させていただくにあたり当然のことながら原作を読ませていただいた中で、もうご覧になっている方は思ったと思うんですけれども本当に良いところで終わる、引きが上手い(笑)してやられているという感じなんですけれども、今回ドラマCD“1巻”というところで、そこまでの過程をとても丁寧に端折ることもなく、原作に沿って丁寧に作っているなという印象があったので、本当にそこに関して嬉しかったです。音声のドラマCDの中での作品の描き方ですけれども、原作を好きで読んでくださっている方々に少しでも楽しんでいただけたら幸いだなと思いますし、また続きの音声化になったときもこのメンバーで一緒に録れたら嬉しいなと思っておりますので、引き続き応援の方よろしくお願いいたします。
千葉:
読ませていただいたときの展開の気持ち良さというか、自分が気になったところが次にちゃんと意味を持って明らかになったり、漫画としての面白さがとてもある作品だなと思ってあっという間に読み切ってしまいました。その中でキャラクターがしゃべる言葉がすごく優しくて好きだなっていうのは感じました。細かいところを言うと、所長が「探偵に向いているか向いてないか」という話をした場面の「困ってる人がいて助けたいと思うんだったら向いてると思う」みたいな、こういう一言一言が優しいなと思って、好きな言葉だなっと思う部分が端々にありました。夜泉と陽名の人間関係が進んでいく中で、なし崩しになっていくというよりは、お互い思い合っているからこそ死神にさせられても陽名は怒らないし、そういう一つ一つの納得感みたいなものが素敵な作品だなと思って、演じていてすごく楽しかったです。続きの展開も音声化される際は一生懸命演じたいなと思っておりますので、原作ファンの方にも楽しんでいただけることを願っております。
広瀬:
お二人も言っていますが、とにかくまず原作がとても丁寧に描かれていますし、絵がもうすごく綺麗で、夜泉と陽名の関係性もですけど死神をやるシーンだったり、そういう一つ一つもめちゃくちゃ魅力的だと感じました。欲を言えばもっと杏平くんのシーンが見たいなっていうのはもちろんありますので、皆さんが応援してくださればもちろん音声化など、どんどん進んでいくと思います。ですので、この世界観を愛していただければ、あと江口さんも言っていましたが終わり方的にもね、気になる終わり方なので1巻だけじゃなく2巻3巻と続いて原作の方も手に取っていただけたらと思います。