東京漫画社レコード

中島さんと一緒にアットホームな雰囲気で収録させて頂きました。今回、昔からの幼馴染という設定で、元々距離感の近い人に恋心を抱いてしまったというキャラクターだったので、自分自身が経験したことのない感情を演じるのが難しかったですね。中高生の頃ってある意味、愛とか恋とかの違いがあまり明確には分からないので、その狭間の中で感情が膨らんでしまって、でもその感情にちゃんと蓋が出来てしまう人だからこそ、色々なことを頭で考えて悩んでしまうっていうところが自分にはない部分だったので、自分とは違う人を演じさせて頂けて楽しかったです。

二人とも恋愛感情の純度が高すぎて、寄り道はしてるんですけど、わき目は振っていない感じで。あまりにも純粋すぎて、僕自身はどこに置いてきてしまったんだろうって思いながら演じました（笑）
今回ドラマCDのお話を頂いた時に、雄馬と一緒に「演じるのが難しいぞ」って話をしていました。大きな波とか激しい山があるお話ではないですし、BL作品ですけど絡みのシーンがそこまで多いわけでもないので、音声化にあたってキャラクターの関係性や感情を、全てセリフと音とで表現しなくてはいけないので、いやらしくないっていうのが逆に難しかったですね。
特に正太朗に関しては掴みどころがないように感じていたので、自分自身演じていてとても難しかったですね。原作を読ませて頂いた感想としては、正太朗は新が好きって感情しかなくて、他の要素を引っ張ってくるのが大変で、難しかったキャラではありました。

：僕、演劇系の専門学校に通っていたんですけど、皆で舞台を作っていたのがすごく思い出に残っています。テナントのビルに学校が入っていたんですけど、夏期休暇の時もそのビルの屋上に皆で集まって稽古をしたりしていました。200人くらい入るキャパの会場で卒業公演があったんですけど、その公演に向けて練習したり、学園祭に向けて練習したり。二年制で二年しか通ってないんですけど、今思うと濃密な人間関係だったなと思います。

部活が大好きでしたね。音楽部に入ってたんですけど、そこで今の恩師と呼べる人に出会えたので。部活だけじゃなくて生活態度とかもみてくれた先生で、色々なところに連れて行ってもらったり、音楽の勉強をさせてもらったり、生活マナーみたいなものを教えてもらったり。それがすごく楽しくて、高校時代に良い師に出会えたのが良い思い出です。

俺が見た雄馬の卒業アルバムの写真は、髪が黒くて重くて量が多くてヘルメットみたいな髪型で、メガネを忘れたのか目が見えてないみたいな目つきをしてた（笑）

懐かしいなぁ。四カ月に一回、友達に髪の毛を切ってもらったりしてました（笑）

とても細かい感情の機微というか、心の動きが非常に繊細に描かれている作品だと思いますので、じっくりと聴いて頂けたら嬉しいです。今回は中島さんと二人で話すシーンがとても多かったので、二人の関係性がシーンごとにどう変わっていっているのかという部分も気にしながら聴いて頂けたらと思います。

原作が好きでドラマCDにも興味を持って聴こうと思ってくれている方が多いと思うんですけど、先生の描かれた原作があまりにも完成されているので、改めて音声化するというのが役者としてはとても難しく、すごくチャレンジな部分ではあったような気がしています。ともすれば、我々の声が作品の雰囲気の邪魔になる可能性すら感じるくらい、完成されたすごく美しい二人のお話だったので、雄馬と一緒に丁寧に演じさせて頂きました。原作のスパイスとして、コミックス片手に聴いてくださるとより楽しんで頂けるのでないかと思います。
まだ音声化されていない澤山と長谷くんの話があるんですけど、そちらも男子高校生の微妙で繊細な関係性や距離感が描かれているので、まさともさんと樽助さんの声で聴きたいなと思ったりしています。新たな展開に繋がったらと思っていますので、よろしくお願いします。