演じられていて特に印象に残ったセリフやシーンがありましたらお教えください。
小野:
芳賀が眼鏡をかけて香川に思い出してもらおうとした所で、香川が「おまえ…!」って言った時の、まこっちゃんが演じた、ちょっと期待を込めた息みたいな1テイク目が、没にはなっちゃったんですけど好きでした(笑) 期待感が小さじ一杯分多めに乗ってるっていう演技に、より切なさを感じて僕は好きでしたね。キャラクターとして、感情を抑えるってリテイクが入ったんですけど、一つ目も俺は好きだったという(笑)
小野:
あと香川のTシャツ! 原作では、『ケツの穴にキスをしろ』っていう意味の『KISS MY ASS』っていうシャツを着ておりまして。『KILL YOU』以上にとんでもないのを着ているなっていう(笑) しかもぽかんとした表情で着てるから、これが面白くって僕的に注目のシーンでしたね。
古川:
すごいですよね(笑) 26歳だとあんまり意味を考えずにそういうの着たがりますからね。
小野:
そこがイチオシのシーンですね。あとは、生クリームを泡立てたりするシーンのSE(効果音)が入ると思うので、その音が楽しみです!
古川:
最初の方に出てきた、パティシエとしてスイーツを作ってる時の香川さんの鬼感。小野さんが、めちゃくちゃ仕事の出来る男の芝居をされていて、普段とのギャップもあってすごくかっこよく見えたのが印象的でした。芳賀くんのセリフで好きなのは、「商売道具の手でしょ‼」って言ってる所ですね。我々も声優っていう専門職に就かせて頂いているので、喉に対しては人一倍デリケートな考え方を恐らく持っているんですけれども、彼らは彼らで手という自分自身の商売道具というものに誇りだとか、大事さみたいなものを感じている。しかも、自分が尊敬する人の商売道具なんだからって声を荒げた所がすごく印象的だなって思いました。
私生活では天然な香川と、早起きや料理などしっかり者な芳賀。ご自身はどちらに似ていますか?
小野:
僕は状況によるって感じですね(笑) 一日ビッシリでビシッとするスケジュールの日は朝早くに起きてビシッとするし、昼から仕事だーっていう時はの~んびり寝て起きてみたいな感じですかね(笑)
古川:
香川です。ずっと天然です。自分で言うのも何ですが凡ミスが多いです。以上です(笑)
小野:
自分のことを天然って言うヤツはたいてい信用ならないって所があるんですけど、この人は本当に天然です。
古川:
違うんですよ。「私、天然だから~」ってヤツじゃないですか、信用できないのって。僕の場合、ずっとボケ老人みたいな感じなんで、諦めが入ってるんですよ。
芳賀は学生時代の黒髪メガネから社会人デビューでイメチェンしていますが、ビジュアルなどで気にかけている点、チャームポイントなどがありましたらお教えください。
小野:
僕、収録が始まる前にコンビニに寄って飲み物とかを調達してから向かおうと思ってたんですけど、お会計をしようと思ってふっと入口の方を見たら、すっげー独特なセンスの派手なコートを着てる人がいて。「こーれはなかなか普通の神経の人だと着れねーな」みたいなことを失礼ながら思っちゃうくらいのなかなかのヤツを着ている人がいるなーって見てたら、「小野さん」って声をかけられて、「おっ、まこっちゃん!」みたいな(笑) マジか、その色遣いすげーなって思いました(爆笑)
小野:
でも、まこっちゃんだったから「あ、やっぱり」って思いました(笑)
小野:
衣装映えはするヤツなんですよ。ただ日常では、「うーん?」みたいな、そういう感じで。けど、そんなこと言ってる俺も、今日着てるシャツが非常に近い柄で(笑)
小野:
ワンポイントですからね! でも、結果同じデザインを着てるっていうのが面白くって。腹にいんじゃん、俺もって言う(笑) あとは普段、スイーツのアクセサリーを着けたりしてるのが、こだわりですね。今回、せっかくのスイーツ作品だったのに、撮影の時に着け忘れるという(笑)
古川:
最近は白と黒の服しか着なくなってきたなーって感じで、服にはそんなにこだわりがないんですけど。髪の毛が大体爆発気味でですね。朝どんなにセットしても現場に着いて15分くらい経ったら大体見る影もなくなるんですよ。
小野:
印象的だったのが、現場でまこっちゃんと一緒の日に、僕が先に入ってスタッフさんと話してたら、まこっちゃんがふらーって入ってきて、「おはようございます」ってすーっといなくなったんですけど、その瞬間から「あいつ、髪の毛どうした」ってなって、皆でざわざわざわざわーってなった時があって(笑)
古川:
オールシーズン、季節関係ないですね。手紙にもよく書かれます。ファンの方からも「どうにかした方が良いですよ」って…
小野:
嘘だろ! そーだったの!? 現場とか普段だけじゃなかったの?
古川:
もちろん、ステージに立つ時は専門のヘアメイクさんがいらっしゃるから大丈夫なんですけど、こういう収録現場での撮影だとか、ラジオでの撮影だとかは、普段の僕が出てくるんで。
古川:
今日も古川慎は髪の毛が爆発していると。考えてもみてくださいよ。髪の毛が爆発してる人に好き好きオーラを出して近寄って行きますか? 行きせんよね? だから、気を付けてます。以上です。
芳賀は『ミエル』に転職する程、パティシエとしての香川に憧れていましたが、ご自身にとって先輩・後輩関係で大切にされている点、憧れや理想像などがありましたらお教えください。
小野:
僕、この世界に入るきっかけは谷山紀章さんで、方々で話しているので、またその話かってなるかもしれないんですけれども(笑) もう何度でも話してしまうくらい、谷山さんという存在は大きくて。
僕はずっとサッカーを頑張ってやってたんですけど、怪我して出来なくなって、その先の人生が見えなかった中、新しい夢を見せてくれた人なので、あの人がいなかったらって思うくらい、本当にあらゆる意味で尊敬と感謝をしている先輩です。
古川:
僕は緑川光さんが好きで、その方をきっかけにしてこの道に進んだんですけれど。緑川さんに実際にお会いした時もそうだったんですけど、現場の空気をすごく和やかにしてくださったりだとか、周りの人にすごく気を配れる先輩って本当に素敵だなってそんな風に思っています。今日ご一緒した小野さんも勿論そういう先輩だし、本当にありがたいことに僕の周りにはそういった先輩が多くいらっしゃるので。僕もこの仕事を五年以上続けさせて頂けていて、後輩って呼ばれる人もどんどんどんどん入って来ているので、自分自身も現場の空気を和やかにしたり、皆で一緒に作品作りをすることが出来る、そんな役者になりたいなと、先輩になっていけたら良いなーなんていう風に思っています。なので、もっともっと研鑽していきつつ、頑張っていきつつ、そんな人間に成長していけたらなと思っています。