収録を終えてのご感想をお教えください。(演じられたキャラクターへの印象など)
増田:
キャストトークCD(公式通販限定特典)の収録時にもお話しさせて頂いたのですが、メインの二人が結ばれてハッピーエンドだけじゃなく、「さんかくトワイライト」の中で重要な“三角関係”という部分が蔑ろにされていなくて、別の見方をすれば一慶とミキ二人だけじゃなくて、青葉もハッピーエンドな側面を持っているんですよね。読み手の自由ですけども、青葉にも明るい未来がある可能性を感じられて、全てのキャラクターに対して救いがあるような作品だと思いました。今回は三人だけでの収録でしたが、他のキャラクター達の息や鼓動も感じることが出来たらまた違った面白い作品の見え方になるのかなと思いました。完成が今から楽しみです。
堀江:
僕は、共演者の方を確認したときに、増田さんと古川さんのお名前があってまず嬉しかったです。
堀江:
本当にお二方とも大好きな役者さんなので、三角関係という心の微妙なやり取りを三人で演じられることがまず嬉しかったです。原作を読んでみても増田さんの仰っていたように、すごく丁寧に人間の心の機微が描かれている内容だなと思いました。それが脚本に落とし込まれたときも、自分でセリフを言っていて、関西弁で話すという難しさはありましたが、言葉に嘘がなくて、すごく自然な会話ができる内容になっていたので演じていて楽しかったです。
古川:
僕は一慶とミキの恋愛の邪魔をするというか、不協和音を奏でるような役どころで青葉君を演じさせて頂いたのですが、この作品はお互いが向き合っていく過程がしっかり描かれているが故に、そこに不協和音を鳴らしに行くのが非常に難しいぞと思いながら収録に臨みました。ミキを大切にしながらも、少し上の立場というものを誇示しつつ、いかに二人を分断させてミキを自分のものに出来るのかみたいな部分と、最後の最後に見えた、ミキという一人の友達を大事に思っている部分が凄くレイヤーになっているキャラクターだなと感じました。なので、とても素敵な一慶とミキのシーンでは、二人の空気感がすごく良くて、自分がマイクの前に入る瞬間に「邪魔するのヤダなー」と思いながら演じました(笑)今、良い雰囲気だったじゃん!と思いながら演じるという、中々無い感覚だったなと。でもそれくらいお二人のお芝居の没入感が僕としては心地良かったです。そこをしっかり浴びながら、三人で収録出来たことが良かったなと思いました。
増田:
僕も、青葉先輩の初登場から二人のやり取りを聴いていると、ミキと青葉のどこに入り込む隙間があるんだろうと思ったので、勝手にお互い焦っていたわけだね。
古川:
作品の流れが凄く上手いから、しっかりとミキは一慶に向いていくし、その過程もちゃんと感じられるのでこっちも焦るんですよね(笑)自分(青葉)がいないところの会話を全部聴いてしまっているからもうダメなんだろうなと思いながら行動して、ダメだったねって……(笑)でもわたるんには良い救いがしっかりとあると僕は思っているので。
古川:
誰かをあてがえば幸せになるっていうのは間違いですからね。
今作の聴きどころ(セリフやシーン)をお教えください。
増田:
僕の中で選ぶのが難しいくらい、シーンの流れが心の動きを作っている作品だなと思っていて、林間学校で二人が抜け出して見に行った星空がキレイだったり、心を開くシーンは、実は自然の一部や綺麗な景色が重要だったりもすると思います。もし、あのシーンが違う場所だったらミキは一慶に揺らがなかったかもしれないし、二人があのときの風景とかあの瞬間を忘れない気がして、選ぶんだったらあそこは結構聴きどころ、漫画で言ったら見どころになるんじゃないかなと思いました。
堀江:
僕も(増田さんと)ほぼ同じで、お互いが無自覚に心のとっかかりになっていたり、ふとしたシーンがすごく大切な一場面だったみたいな、お互いに心に爪痕を残しあっているようなやり取りをしていたなと感じました。林間学校で星空を見に行くシーンや、二人でゲームをやっているシーンなど、そういうやり取りの積み重ねで未来に繋がっていったのだなと思いました。丁寧に描かれているシーンの連続だったので、「ここのシーンが」というよりも全体通して一慶とミキのやり取りがすごく尊いものに感じましたね。これが、はかた先生の腕なんだなと感じました。
古川:
ミキは仲良くなったら結構甘えてくるじゃないけど、人懐っこくなるじゃないですか。作中で、ミキが一慶に抱き着くシーンがあるのですが、ミキは人懐っこく友達として仲を深めていくんだなという風にも思っていたんですよ。僕だったらヤンキーから急に抱き着かれたら本当に怖いなって思うんですけど(笑)ミキの持っている可愛さと、そういう風に思わせない部分が魅力なんだろうなと思いました。ミキが一慶に結構抱き着いている印象があって、その後に結ばれるシーンがあるんですけど、そのときにやっと「恋人として今抱き着いたんだな」という部分が凄くエモいと思いました(笑)一慶に抱き着くシーンや仲を深めていくシーンが、しっかり実を結ぶところが僕の注目ポイントです。ミキ君、可愛かったんですけど途中で急に熟練者みたいなところがあって(笑)
増田:
堀江君が録り直されたところじゃないですか(笑)
古川:
ミキが急にとても慣れているような愛撫をするっていうね(笑)
古川:
ありましたね、個人的にはそこを注目ポイントに挙げたいなと思ったんですけどね(笑)
増田:
ミキも経験ないはずなのに結構強めに色っぽかったよね(笑)
堀江:
確かに、今まで出てきたBL作品の経験を活かしすぎましたね。
増田:
頭の片隅で「一慶は初めてだけど、ミキは初めてじゃなかったのだろうか」って思いましたよ(笑)僕が読んでないところあったかなって(笑)
ミキが作中で金髪からピンクに髪色を変えていますが、してみたい髪型や髪色があれば教えてください。
増田:
やらないと思うんですけど、今頃になってインナーカラーにちょっと興味が出てきまして。
堀江:
いやー!僕今まさに言おうとしました!白インナー絶対似合います!
増田:
(笑)僕はインナーカラーに興味があります!
堀江:
え、僕もちょっと…真似していいですか?白のインナーカラー僕もします!
増田:
このテンションで「真似していいですか?」ってちょっと怖いよね(笑)
堀江:
でも本当にアウターカラー黒、インナーカラー白はカッコいいし、流行っているんですよ!
堀江:
あと、逆に白アウターカラーでインナー黒とか。
古川:
今、「ダルメシアンみたいな」って言った後に、「ダルメシアン?」って(堀江さんが)こっちに聞いてきたもんね(笑)
古川:
僕は、最近の流行りじゃないかもしれないというか定番化しているかもしれないんですけど、メッシュってやつを入れてみたいんですよね。
古川:
オシャレな人ってメッシュ入れている印象があるから、メッシュを入れたらオシャレになるんじゃないかなという漠然とした固定観念で僕は今度メッシュを入れてみようかなと思っています。
堀江:
えっ!?入れるんですか!?何色にするんですか!?
古川:
そんな具体的に聞かれると困るのよ。入れてみたいなってだけなので。可能性は30%あるかないかくらいですね。
古川:
堀江君がどんな髪型になるのか皆さん楽しみにしていてください。
堀江:
増田さんと古川さんもやって頂かないと。三人で初めて完成しますから。
わたるんはラウンジボーイのアルバイトをしていますが、したことがある、またはしてみたいアルバイトはありますか。
増田:
僕、実はアルバイトをしたことがないんです。一度、喫茶店にアルバイト応募して落ちたのがショックすぎて次をやる気になれなくなって…。
増田:
後々色んな方に話を聞いたら、当時、友人と二人で同時に応募したんですよ。そしたら、「二人同時に応募するってことは辞めるときも同時に辞められる可能性があるから採用されにくいよ」って言われました。だとしても、僕の中に深く傷を残した人生初めての不採用だったんですよ。だから出来るのなら喫茶店のアルバイトをやってみたいですね、満を持して。面白そうです。
堀江:
いいですねいいですね。そんな増田さんにご提案なのですが…。
堀江:
割と色んな媒体でも言っているんですけど、一緒に小田原でカフェのアルバイトしませんか?
堀江:
(笑)本当にカフェとかのアルバイトをしたくて、実は真剣に探しています。
堀江:
(笑)お金に困っているとか仕事に困っているとかではなくて、ずっと閉鎖的な空間にいると、ふとした瞬間にこのままじゃダメかもしれないというか、もっと人間を知りたいというか、もう少し広い場所に行かなきゃいけないと思うことがあって、そういう感覚がお芝居にも出そうだなと思って。
増田:
でも僕とアルバイトしたら声優としての感覚が抜けないと思うから一人の方がいいんじゃない?一人でお願いします!
古川:
僕は昔、ゲームのデバック(※エラーやバグを見つけて調べる作業)のバイトをやっていたんですよ。コリ抜けという、ゲーム上のマップの中で行けない部分、ぶつかるべき壁を抜けちゃってデータ上表示されてない先の方に行けてしまうというバグがあるんだけど、それをチェックするために壁に向かってひたすら走り続けるという作業でした。作業中に有名な方々の音声が聞こえてきて、いつかゲームに自分が出ることが出来て、さらにデバックまで出来たら面白いなと思っていたんですよね。ぜひ自分が出演したゲームのデバックをやらせて頂きたいです!
古川:
そしたら、僕が声を担当するキャラクターを少し強くしてもらえたりしたら嬉しいですね。
増田:
僕らはやったことがないけど絶対辛そうだよね。
古川:
例えば、知育教材のデバックをした時は、「あ」のボタンを押したら「あ」って音が流れて、その後「あめんぼ」とかの簡単な単語が流れるようなおもちゃをずっと無心で50音のひらがなのボタンを押して間違っていないか確認する作業とかしていました。それを三回くらい繰り返します。
古川:
カードゲームとかは、色んな組み合わせを試して上手くいかない場合はどうすればいいのかっていう報告書を書かないといけないから、組み合わせを変えて、配置も全部変えて、何回も試して大変でしたね。
増田:
移動系のゲームとかもっと大変そうですね。普通の消費者でいたい。
堀江:
僕も今軽はずみに面白そうとか言いましたけど、無理でした。
増田:
軽はずみな発言、謝ろう、すみませんでした。
増田:
音声化するにあたって、原作を読んで感じた事の解像度が高くなるような作品になっていればいいなと思いながら収録しました。原作を読んだときには発見できなかったことが、ドラマCDを聴きながらもう一度読むことで新たに発見できるものもあると思います。それくらい細かいところに色んなキャラクターたちの表情や動きのある作品だと思いますので、常々何度も言いますけども、原作とドラマCDあわせて今後もぜひとも楽しんで頂ければなと思っております。
堀江:
原作を読み終えた読後感がすごく爽やかで、心が温かくなるような印象を受けました。声に乗せたときにその雰囲気をなるべく取りこぼさないようにという思いで演じさせて頂いたので、僕が原作を読んだ時に感じた温かさを、聴いて頂いた皆さんの耳と心でも感じて頂けていたら嬉しいなと思っています。僕個人としても本当にこの収録が楽しくて、こういうテイストの人間ドラマの作品で、キャラ同士のやり取りがあって、現場の楽しさみたいなものが相乗効果で良い風に作用していく作品でもあったので、現場の和やかな雰囲気が乗って作品全体のクオリティーをグッと上げることにも繋がったのではないかなと思っています。耳で聞いても目で見ても楽しんで頂ける内容になっていると思いますので是非繰り返し聴いて頂けると嬉しいです。
古川:
原作を読ませていただいて、収録が終わった後に感じたのは、この作品自体は人と人とが関わっていく上での心の温かさを感じられる作品だなということでした。メインである三人だけではなく、周りにいる見守ってくれる人や賑やかしてくれる人、みんな根底には温かさがあるような、そういった描写が様々な場面に散りばめられているなと。ドラマCDの良いところは音声という新しい情報がその作品に乗っていくことだと思うので、その心の温かさみたいなものが我々のお芝居で皆さんに伝わっていたらとても嬉しいです。あとは、「友達は大切に」という気持ちを皆さん心に持ちながらこれからの人生を歩んで頂けたら嬉しいです。ありがとうございました。